大鹿村中央構造線博物館



赤石岳展望コース(徒歩)

発着地:道の駅歌舞伎の里大鹿
所要時間:1時間~1時間半(博物館見学時間を除く)
主な見学ポイント:中央構造線を挟んで両側の石の露頭、大西山崩壊跡地、博物館等

①道の駅(トイレ、売店、駐車場あり)

道の駅歌舞伎の里大鹿は、2018年8月にオープンしたレストランや売店からなる施設です。観光案内所もあります。

建物の後方に、昭和36年の集中豪雨で崩れた大西山の崩壊地が見えます。

②保育所前

中央構造線は、ちょうど保育所の敷地内を通っています。中央構造線はほぼ南北の谷に沿って通っていますが、尾根上を中央構造線が通過しているところでは、断層鞍部と呼ばれる凹地地形ができています。
③建設省慰霊碑

このあたりは、昭和36年の36(さぶろく)災害時に大西山が崩壊したときに、土砂が襲ってきた地域です。当時、建設省の事務所で働いていた職員6名も犠牲となりました。
④大磧(たいせき)神社

江戸時代から続く大鹿歌舞伎の舞台があります。現在も毎年5月3日に、ここで大鹿歌舞伎春の定期公演が開催されます。
⑤結晶片岩露頭

中央構造線の外帯側(太平洋側)に分布する、薄い板を重ねたような岩石です。地すべりを起こしやすい岩石で、大鹿村の古い集落の多くは、外帯側の比較的傾斜が緩い場所に立地しています。
⑥蛇紋岩

蛇紋岩は、表面がつやつやした緑色の岩石です。とても脆くて地すべりを起こしやすいことで有名です。
⑦小渋橋

小渋橋は、昭和32年に竣工した鉄筋コンクリート造ローゼ桁3連アーチ橋です。国の登録有形文化財に登録されています。

ローゼ桁というのは、ドイツ人橋梁技師へルマン・ローゼが考案した構造形式で、太いアーチ部材と桁(路面走行部)がほぼ同じ厚さなのが特徴です。

⑧ウェストン碑(トイレ、駐車場あり)

明治25年に、ウォルター・ウェストンが小渋川ルートで赤石岳に登りました。

ウエストン碑を挟んで反対側の広場にトイレがあります。また、映画「大鹿村騒動記」のロケに使われたお店「ディア・イーター」があります。

新小渋橋から見た小渋橋と赤石岳

小渋川から赤石岳が見えるのは、小渋川にに沿って断層があるために、まっすぐな谷ができているためと考えられています。
⑨大鹿村中央構造線博物館(トイレ、駐車場あり)

大鹿村内で集めてきた岩石がたくさん展示してあります。休館日でも庭の岩石園は見られます。是非お寄りください。
⑩ろくべん館(トイレ、駐車場あり)

郷土資料館「ろくべん館」は、無料で入場できます!

「ろくべん」というのは、歌舞伎のときなどに使った弁当箱のことです。

博物館の一つ隣の3差路を右折

和合の集落は、急峻な内帯側に立地する数少ない集落です。集落は丘の上にありますが、これは、かつて伊那山地側の山腹が崩壊し、沢を流れ下った土砂が沢の出口から広がって堆積した土石流扇状地と考えられます。

よく見ると、大西公園のある場所と似たような地形をしています。

⑪中央構造線のほぼ直上から見る断層鞍部

博物館周辺の田んぼが広がる地帯には、古い岩盤の上に、川の運んできた礫が20メートルほど堆積しているため、中央構造線の位置がはっきりとはわかりませんが、地点⑪あたりが、中央構造線のほぼ直上のあたりになると思われます。

北方向、南方向どちらを見ても、少しわかりにくいですが、張り出した尾根の途中に、断層鞍部と思われる凹みが見つかります。ここを中央構造線が通っています。

⑫マイロナイト露頭 青木川を越えて右折すると、マイロナイトの露頭があります。マイロナイトは、断層の近傍の地下深いところで、断層がずれる力を受け、引き伸ばされるように変形した岩石ですが、ここの露頭のマイロナイトは、地下深くから隆起上昇してくる間に、浅い部分で再び断層がずれ動く力を受け、破砕(はさい)岩となっています。

この先の急な上り坂は、本コース一番の難所となります。左手は急な崖となっており、落石の音がときどき聞こえます。また、日当たりが悪く、冬季は路面が凍っていることがあります。頭上にも足元にも十分注意をして歩行してください。運が良いとカモシカにも会えます!

⑬崩壊礫保存園(トイレ、駐車場あり)

東屋のところが大西公園の入り口です。歩道を進むと、大西山崩壊礫保存園の看板があります。ここでは、大西山が崩壊したときの状態のまま、崩れ落ちてきた大小の岩塊が保存されています。
⑭大西観音(トイレ、駐車場あり)

三六災害30周年を記念して、平成3年に大西観世音菩薩像が建立されました。

大西公園からも赤石岳が良く見えます。大西公園の下で小渋川と青木川が合流しています。

大西公園から道の駅にむかって坂を下っていくと、左側でなにやら工事中です。ここは、もともとグラウンドだったところですが、2019年現在、リニア中央新幹線のトンネル工事の残土を運んできて、かさ上げをしているところです。