白亜紀末の和泉層群
紀伊半島から四国西部にかけて、中央構造線の北側に約10kmの幅で、白亜紀末(約7000万年前)の和泉(いずみ)層群が、領家変成帯をおおっています。
和泉山地の和泉層群
断層が少し折れ曲がった状態で、横ずれ運動が続くと、折れ目部分に引っ張られて落ち込む盆地ができます。これを「プルアパート盆地」といいます。白亜紀末の左横ずれ断層運動にともない、中央構造線の北側が陥没し、細長い海ができ、和泉層群が堆積したと考えられています。
和泉層群は、南縁を地質境界としての中央構造線に切られ、三波川変成岩と接しています。そこで、和歌山から西では、和泉層群と三波川変成帯の境界断層が、中央構造線の基本的な姿になります。
地質境界としての中央構造線が和泉層群を切っていることから、和泉層群は、三波川変成帯と接する活動期以前に堆積したと考えられます。
大分県には、中央構造線の外帯側に、和泉層群と同時代の大野川層群があります。これを和泉プルアパート盆地の西縁とみて、東西500kmの横ずれを考える人もいます。