大鹿村中央構造線博物館



地震発生サイクル:地震がくりかえし発生するしくみ

断層の急激なずれ動きの原動力は、広い範囲の岩盤にかかり続ける力です。

図の左上のように、固い岩盤に力がかかり続けると、バネを縮めるような変形(弾性変形)が大きくなっていきます。それにともない、岩盤内部に生じる、変形を元に戻そうとする力(応力)も強くなっていきます。

ついにその力が岩盤の強度を越えると、図の右上のように断層面(破壊面)が生じ、右下のように一気にずれ動きます。断層面は力の向きにたいし斜めに生じます。断層面を境に、両側の岩盤が一気にずれ動き、地震波が発生します。

断層はバネの変形が戻る方向にずれ動くので、応力が低下し断層のずれ動きは止まります。すると断層面は固着し、左下のように岩盤の弾性変形がゆっくりと大きくなっていきます。断層部分は岩盤の傷になっていますから、応力が断層の固着強度を越えると、再び一気にずれ動きます。広い範囲の岩盤にかかる力が変わらなければ、同じ断層のずれ動きが、ほぼ同じ時間間隔で繰り返すはずです。

この地震発生サイクルの考え方が、同じ断層で発生する地震の、長期予測の基本原理になっています。

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