大鹿村中央構造線博物館



プレート境界型地震

日本海溝沿いのプレート境界型地震

日本海溝から沈み込む大平洋プレートは、プレート上面の深さが50kmになる三陸~房総半島の海岸付近まで日本列島側のプレートと固着して(噛み合って)いて、プレート境界型地震の震源断層面になります。その中でいろいろな部分がずれ動いて、地震発生をくりかえしてきました。

宮城県沖ではマグニチュード7級の地震を30年程度の間隔でくりかえしてきました。三陸沖ではマグニチュード8級の地震を100年~数100年の間隔で繰り返してきました。

1000年に1度程度で、ふつうのマグニチュード8級の地震発生とともに生じる津波よりも陸地の奥まで到達する津波が発生したことが、津波が残した堆積物が発見されて明らかになりつつありましたが、長期評価に反映される前にマグニチュード9.0の2011年東北沖地震が発生してしまったのは、悔しいことでした。

2011年東北沖地震の震源域は、プレート境界が固着していた海溝から海岸までの全幅200kmで、三陸沖~茨城沖の長さ500kmの長さに及ぶ広大なものです。

西南日本のプレート境界型地震の震源域は、陸地の下まで広がる

西南日本では東北日本よりも海溝と海岸の距離が近いため、プレート境界型地震の震源域が陸域の下まで広がります。

上の図の東北日本側は、2011年東北沖地震(マグニチュード9.0)の震源域と、地表の揺れの強弱である震度分布を示しています。西南日本側は、中央防災会議が作った南海トラフ沿いで同じ規模の巨大地震が発生する場合の想定震源域と想定震度分布です。

2011年東北沖地震の震源域は陸域の下には広がっていません。陸域は地震波発生源である震源域から離れているので、震度7を観測したのは1ヶ所だけで、震度6強の範囲も広くはありません。

一方、南海トラフ巨大地震では地震波が陸域の直下で発生するため、地表の揺れがずっと強くなります。沿岸地域のほとんどが震度6強の揺れになり、震度7も広く分布します。

この図には、相模トラフから沈み込むフィリピン海プレートと陸側プレートのプレート境界型地震である関東地震の想定震源域も書きこんでいます。南関東のほとんどが想定震源域になっています。面積の広がりはマグニチュード8級ですが、南関東では強い揺れになることが予想されます。1703年元禄関東地震の震源域はほぼこの広さですが、1923年大正関東地震の震源域はこの半分程度の広さです。

⇒「マグニチュード8級の東海・南海地震」へ進む

⇒「地震」TOPに戻る