大鹿村中央構造線博物館



断層岩ってなに?

断層岩ってなに?

断層岩というのは、地下の断層がずれ動いたときに、岩盤が剪断変形をするのにともなって形成される、脆性および延性剪断帯を構成する変形岩の総称です。

※「岩」といっても、未固結の断層内物質も含みます。
※剪断には、ゆっくりとした非地震性挙動と、高速の地震性挙動の両方を含みます。

断層岩の業界で有名な「鹿塩(かしお)マイロナイト」

中部地方赤石山脈・伊那山地地域の中央構造線沿いには、様々な深度で形成された断層岩類が分布しています。とりわけ、領家帯側に露出しているマイロナイトは、かつて「鹿塩片麻岩」と呼ばれた日本列島の代表的な断層岩のひとつです。「鹿塩」は大鹿村の地名です。

マイロナイトは、温度が地表より高い断層深部で形成される断層岩です。壊れるかわりに延ばされたような見かけの岩石です。
中央構造線沿いの断層岩類は、領家帯側によく露出しています。中央構造線から領家帯側へ1km入った付近まで、白亜紀末に断層深部で形成されたマイロナイトが分布しています。一般的には、中央構造線に近づくにしたがい、より新しい時代の、より浅部における変形を重複して受けています。

断層深部を知る手がかりとなる断層岩

断層深部は、地表より温度も圧力も高く、岩石の性質が地表とは大きく異なります。断層深部は、地震発生のメカニズムを知るためにも重要ですが、じっさいには地下十数キロメートルの震源域まで降りて調べることはできません。けれども、古い時代に深部で形成された断層岩が、その後の広域的な地殻変動と削剥によって地表に出ているものがあれば、その岩石を手に取って見ることができます。

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