大鹿村中央構造線博物館



N10ポーフィロクラスティック・マイロナイト源カタクレーサイト

深部で形成されたマイロナイトが,広域的な地殻変動による上昇と削剥により浅部に位置した後,剪断を受けるとカタクラスティックな重複変形を受ける.このとき剪断帯の幅は浅部ほど狭いため,剪断帯の中心に近い部分のみカタクレーサイト化する.その後に全体が地表に露出すると,剪断帯の中心から遠方に向かい,断層ガウジ,マイロナイト源カタクレーサイト,マイロナイトの順に配列する.赤石山脈・伊那山地地域の中央構造線ぞいでは,領家帯側の幅1000mにマイロナイトが露出し,そのうち,中央構造線近傍の幅約250m以内が,カタクレーサイト化の重複変形を受けている.

標本番号 高森山林道No.3
採取地 長野県下伊那郡大鹿村鹿塩高森山林道
中央構造線との関係 中央構造線(地質境界)から220m
岩石名 ポーフィロクラスティック・マイロナイト源カタクレーサイト
特徴 破砕岩片中にマイロナイトの構造が見られる
推定される原岩 ポーフィロクラスティック・マイロナイト

 

切断研磨面

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切断研磨標本

 

偏光顕微鏡観察

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×10,下方ポーラー ×10,クロスポーラー

 

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