大鹿村中央構造線博物館



全地球をめぐるH2O

地球の内部と表面を循環している水の見積もりです。ギゲンバッハさんの1992年の見積もりと細かい数字は少し異なりますが、大局的には変わりません。

これを見ると、マントルから地球表面に出てくる水よりも、表面から地球内部に入っていく水の方がずっと多い。これでは海がなくなってしまう!

はい、何億年も先には、海はなくなってしまうと考えられています。

太古の地球の内部は今より高温で、海洋プレートに含まれた水は沈み込み帯のマグマ活動で地表に戻されました。沈み込んだ海洋地殻そのものが、自分が持っている水で融点降下を起こし、大量のマグマを発生させて大陸地殻が急成長していたと考えられています。
地球内部から出てくる水も多く、海水が増えていました。

今は逆転して、海水が減っていくプロセスに入っています。

ただしこれは何億年という時間サイクルの話です。氷期‐間氷期の200m程度の海面の上下変動は10万年のサイクルです。人間が放出する温室効果ガスは、どのぐらいのサイクルに影響をあたえているのでしょうか。

しかし鹿塩温泉のH2Oの旅は、この全地球のH2Oの大循環の一部です。そのスケールを感じながら、お湯に浸っていただければ、嬉しいです。

2019年4月25日作成

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