大鹿村中央構造線博物館



鹿塩温泉のH2Oの長い旅路4:海溝堆積物に含まれる水

海溝には大量の堆積物が陸地から流れ込んでいます。
山地の崩壊により生産された礫・砂・泥は、川により運ばれ、粒径により分かれて河口付近に堆積します。プレート境界型地震により揺さぶられるなどの原因で、それらは海底土石流になって混じり合って、トラフ(海溝)の底へ流れ下り、泥混じりの砂岩が一気に堆積します。土石流と土石流の間の期間には、泥がゆっくり堆積します。そのため、トラフ(海溝)を埋める堆積物は、砂の層と泥の層が繰り返す互層になります。

これらの海溝堆積物は、海洋プレートの沈み込みにともなって、大陸プレートの下に引きずり込まれていきます。その過程でしだいに固結して砂岩や泥岩に変わっていきます。さらに、海洋プレートからはぎ取られ大陸側に付け加わって、付加体の一部になります。

⇒「鹿塩温泉のH2Oの長い旅路5:含水変成鉱物として深部に運ばれる水」へ進む

⇒「謎の鹿塩温泉」TOPに戻る