大鹿村中央構造線博物館



鹿塩温泉に溶けているイオン

成分は?

鹿塩温泉の温泉水を煮詰めると、食塩(NaCl)の結晶が水から分かれて出てきます。
でも、もともと食塩が溶けていたのではありません。
ナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)が、ほかのいろいろなイオンといっしょに温泉水に溶けています。

サラサラの食塩泉

圧倒的に多いのが、ナトリウムイオンと塩化物イオンです。
合わせて1リットルに3グラムもあります。
この濃さは海水と同じです。

けれども海水に多いニガリ分、マグネシウムイオンは、ほとんどありません。塩化マグネシウムは「べとつき」のもとです。
やはり海水に多く「潮臭さ」のもとになっている硫酸イオンもほとんどありません。
カルシウムイオンは、海水よりやや少なめです。
このように、鹿塩温泉は海水よりも純粋な食塩水にちかく、ベトつかない塩水です。

原水の塩分は海水よりも濃い

地表に湧いている塩泉(源泉)は、地下のどこかにある原水が天水(てんすい:地表近くの地下水)で薄まったものです。
鹿塩温泉の原水の成分は、もっと濃かったはずです。

これらの成分は、原水が今の場所へ移動してくる以前に、いろいろな成分が出入りし、結果的に残ったものです。

では、鹿塩温泉の原水は、どんな水が、どこから、どのように移動してきたのでしょうか。

 

⇒「水の調べ方」へ進む

⇒「謎の鹿塩温泉」TOPに戻る