詳細ルートマップ
NO.13~11:マイロニティックゾーン
中央構造線からの距離1560m~1140m
花崗岩質や変成岩質の原岩が、少しだけマイロナイト化したゾーン
- この区間では,一部の石英に多結晶細粒化が見られる.
- 区間の大部分は花崗岩質岩であるが,No.11露頭に泥質片麻岩がみられる.
- 花崗岩質岩は主要には塊状~片麻状トーナル岩であるが,花崗閃緑岩が挟在する.
- 原岩にカリ長石を含む場合は,ミルメカイトの形成により細粒の石英と斜長石が形成されている.
NO.10~8+2:プロトマイロナイトゾーン
中央構造線からの距離1030m~720m
中央構造線に近づくにつれ、石英の多結晶細粒化が試料全体に及ぶとともに,粒径が減少していく、プロトマイロナイトゾーン
- 再結晶石英の外形は,正多角形状の“Pタイプ”である.Pタイプ再結晶石英は,長く引き延ばされた形状の“Sタイプ”や,細粒で結晶粒界が不鮮明な“Fタイプ”にくらべ,相対的に高温または変形速度が遅い条件で形成されるとされている.
- 原岩にカリ長石を含む場合は,ミルメカイトの形成により細粒の石英と斜長石が形成されている.ミルメカイト化も塑性変形に寄与したと考えられる.
- 黒雲母の一部は細粒化して,細粒の石英や長石とともに,マイロナイト細粒基質を構成している.しかし,黒雲母の一部は,原岩由来の結晶のまま残存している.
NO.8~5:マイロナイトゾーン
中央構造線からの距離670m~290m
中央構造線に近づくにつれ、再結晶石英の粒径、原岩由来の黒雲母の粒径が減少していき、一部の斜長石や角閃石に脆性破断が見られるようになるマイロナイトゾーン
- カリ長石を含まないトーナル岩と,カリ長石を含む花崗閃緑岩で,変形組織のちがいが顕著になる.
- No.8ネームプレートから30m東方に,幅約4mの泥質片麻岩源マイロナイトを挟在する.
マイロナイト/カタクレーサイト境界断層
中央構造線からの距離290m
No.4~入り口:カタクレサイトゾーン
中央構造線からの距離290m以内
中央構造線近傍のカタクレーサイトが分布するゾーン
- No.5露頭とNo.4露頭の間およびNo.3露頭とNo.2露頭の間の,北北東走向,高角東傾斜の断層を境に,中央構造線側に堆積岩が原岩であると考えられるカタクレーサイトが分布する.
- No.3露頭とNo.2露頭の間の境界断層の西側には,斑状マイロナイトを原岩とするカタクレーサイトが分布している.
- 原岩がマイロナイト化した履歴が見られるものと、はっきり見られないものがある。