大鹿村中央構造線博物館



NO.13トーナル岩

「マイロニティック片麻状角閃石黒雲母”非持タイプ”トーナル岩」
Mylonitic, gneissose hornbrende biotite tonalite (Hiji type)
中央構造線からの距離1560m

 


トーナル岩は,風化が進み,マサ(真砂)化している.

 

No.13マイロニティック中粒片麻状角閃石黒雲母トーナル岩

試料番号03122201,03(中央構造線からの距離1560m)

  マグマからゆっくりと冷却固結した火成岩である貫入岩に特徴的な,隣接する結晶に規制された半自形ないし他形の形状で,大きめで粒径がそろった等粒状結晶のみで構成された完晶質組織をもつ. 
  主要な構成鉱物は,有色鉱物は角閃石(黒色)と黒雲母(黒色),無色鉱物は斜長石(白色)と石英(透明)である.カリ長石を含まず,花崗岩質岩の細分類としてはトーナル岩に区分される. 
  偏光顕微鏡下では,石英に動的再結晶による細粒多結晶化が観察され,「マイロナイト化した(マイロニティック~)トーナル岩」に区分した. 

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高温塑性変形を特徴づける,動的再結晶により細粒多結晶化した石英が見られる.

 
有色鉱物(黒雲母と角閃石)

 
ほぼ自形の斜長石結晶.細粒多結晶化した再結晶石英プール.

 
多色性を示す褐簾石と黒雲母.
※多色性:下方ポーラー光で見たときに,偏光の振動方向と結晶軸の向きにより,特定の波長の光が吸収される程度が異なるために,色が異なって見える性質.

 
斜消光を示す褐簾石と,直消光を示す黒雲母
※消光位:クロスポーラー光で見たときに,直交する2偏光の振動方向に対し,結晶の長軸やへき開面などの外形上の直線の向きと,偏光の振動方向(このWEB展示室の場合は写真の長辺および短辺)と一致したときに消光する場合を直消光といい,結晶の長軸が偏光の振動方向と斜交するときに消光する場合を斜消光という.

 
くさび石=チタン石(高屈折率,高複屈折)
※屈折率:屈折率が高い鉱物は,浮き上がって見える.
※干渉色:結晶内を通過する光の振動方向のちがいによる屈折率の差(複屈折)が大きい鉱物は,クロスポーラーで見たときに色付いて見える(干渉色).複屈折がひじょうに大きい鉱物は,白色に近い高い干渉色を示す.

No.13-2角閃石を含む花崗岩質淡色脈

試料番号03122204(中央構造線からの距離1410m

林道沿いに東方へ約400mの区間は,風化が強いけれども露岩が連続している.岩相の変化がいちじるしく,片状ないし縞状を呈する部分や,有色鉱物が少ない部分がくりかえされる.一部に優白質の脈が見られる.脈中には,多数の無色鉱物の小結晶を包み込んで晶出した大型の角閃石結晶が見られる.

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大型角閃石結晶の,多数の異種鉱物を含むポイキリティック組織.

No.13-2片麻状角閃石黒雲母トーナル岩中の小剪断帯

試料番号03122205-01(中央構造線からの距離1410m)

 片状の岩相.黒雲母(黒色)の層状配列に沿って,浅部上昇後に後生的に生じたと考えられる幅1~2mmの暗灰色の脆性小剪断帯が見られる.

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黒雲母の層状配列による片状組織

 
片状組織と平行に,後生的に形成された小剪断帯のカタクレーサイト(破砕岩)

No.13-3細粒片麻状角閃石黒雲母トーナル岩

試料番号03122206(中央構造線からの距離1350m)

有色鉱物に富む部分(優黒部)と無色鉱物に富む部分(優白部)が,縞状に配列している.

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黒雲母に富む優黒部

No.13-4細粒片麻状黒雲母花崗岩

試料番号03122207(中央構造線からの距離1320m)

カリ長石を含む花崗岩質の岩相.カリ長石の縁辺にミルメカイトが見られる.

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屈折率が低いカリ長石.屈折率が高い周囲の鉱物との境界にベッケ線が見えている.
※ベッケ線:屈折率の差による見かけの縁取り.


カリ長石周縁に生じたミルメカイト(高倍率)
※ミルメカイト:イモ虫状の斜長石と虫食い状の石英が一体に生長した連晶.カリ長石のまわり,とりわけ斜長石との接触部に,熱水の存在下で形成される.

No.13-6細粒片麻状角閃石黒雲母花崗閃緑岩

試料番号03122208(中央構造線からの距離1210m)

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有色鉱物(角閃石・黒雲母)と無色鉱物(斜長石・石英)の縞状配列

No.13-7細粒弱斑状黒雲母花崗岩

試料番号03122209(中央構造線からの距離1210m)

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黒雲母の一部は変質し,緑泥石に変わっている.

 

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